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今回は目先を変えて、日本の党首討論はこうしたらいいのに・・・ってことを書く。 大学時代からいろいろ思うところはあったのだが、 せっかくだからこの機会に文章にしてしまおうっていうもの。 頭の中にあることを順番に書いていったら、漢字が多い堅い文章になってしまったが、 その点、ご勘弁を。 さて、いわゆる「党首討論」、正式には、「国家基本政策委員会合同審査会」という。 モデルとなったイギリスをならって、「クエスチョン・タイム」という言い方もある。 「合同審査会」というのは、衆議院と参議院で共催する委員会という意味。 1999年の試行を経て、2000年から導入。これまで30回弱開催された。 2か月に1回程度のペースでやっていて、1回45分間。 水曜日に開催され、通常は15時開始になっている。 党首 対 首相 という1対1で、各党の党首が首相に質問する形式。 短い45分間という時間を、各党の党首が議員数に応じて割っているのである。 ちなみにアメリカではこのような制度はないし、 そもそも大統領が議会で説明を求められることはない。 大統領は国民に直接選ばれるので、国民に直接説明責任を果たせばよいこと、 立法と議会の分立の考えが徹底されていることなどによる。 日本のモデルとなったイギリスでは、下院本会議場で行われている。 「プライムミニスター・クエスチョン・タイム」と呼ばれ、 毎週水曜日午後3時からの30分行われている。 質問者は希望者のリストから下院議長が指名することになっており、原則1人1問。 議場で立ち上がった議員を議長が指名することもあるらしい。 野党党首には、議席数に応じて、数問、他の議員を差し置いて質問する優先権がある。 さて、僕の党首討論に対するキーコンセプトは、ずばり、 「面白い党首討論で、政治を面白くする!!」 はっきり言って、今の「党首討論」はつまらないのである。 何がつまらないといっても、 (1) 野党が質問して首相が質問に答えるという形式で、他の国会答弁と変わらない。 (2) 首相も内閣総理大臣としての立場に縛られて、政府の見解を超えてまで、自由で活発な議論をしにくい。 (3) 野党の考えや公明党の考え、その違いなどがわからない。 野党は首相や政府与党の政策を追及するだけで、彼らの考えが追求されることはない。 小泉総理がたまに切り返したりしているが、質問をはぐらかすためという場合が多い。 野党は、ある問題についての明確な方針を持たなくても、 世間の様子を眺めながら、与党を追及すればいいということになる。 また、連立を組んでいる公明党とかに焦点が当たらない。 結局は、「党首」としての「討論」ではないのである。 「党首討論」という呼称は、的を大きくはずしていて、ちゃんちゃらおかしいのである。 具体的な方策は、次のような感じ。 1. 【党首による討論形式】 を基本にしよう! ← ここがポイント!! 2. 【毎週水曜日、夕方】 にやろう! 3. 【1時間以上】 やろう! 4. 衆議院議長か参議院議長がしきろう! 5. テーマは前の週の金曜日に発表する。 ただし、大きな問題が発生した場合には、すぐにテーマを切り替える。 (党首討論のイメージ) 僕のイメージとしては、 司会者たる衆(参)議院議長、自民党、民主党、公明党、社会党、共産党の党首が座る。 周りには、その回にテーマとなってる問題を所轄する大臣と局長が座る。 具体的な数字のデータや現在の政府の方針を説明するためである。 司会を務める衆議院(又は参議院)の議長は、社会問題に目を配りつつテーマを考え、 前の週の木曜日か金曜日に発表する。 テーマはある程度具体的なものになるだろう。 例えば、 【自衛隊の海外派遣はどこまで認めるべきか】 【消費税を上げるべきかあげないべきか、どう上げていくか】 【公務員の年功序列システムをどのように変えるか】 【郵便局は民営化すべきか】 【政治資金のあり方はどうすべきか】 各党首は、その問題について深く勉強しておくとともに、 自分の考えと党の考えをちゃんとすり合わせておいて、党首討論に臨む。 ただ、突発的に大きな問題が起こり、政治的な関心がそちらに移る可能性がある。 そうした場合には、司会者である議長は、柔軟にテーマを変えるとともに、 討論形式から質疑応答形式に切り替えることも必要だろう。 党首がテーマについて議論・勉強している間、 日曜日の朝にやっている政治関係の討論番組なんかでも 同じような問題が議論されるだろう。 親切な新聞やニュースは、あらかじめそのテーマの争点になりそうなところをまとめ、 「党首討論のみどころ」みたいなコーナーを作って国民の理解を深める。 徐々に問題点や議論が深まってきて迎える、水曜日の午後6時30分、 NHKといくつかの民放、ケーブルテレビが国会の生中継に切り変わる。 衆議院議長が、「料理の鉄人」よろしく、今日のテーマを改めて発表し、 なぜこのテーマなのか、なぜ重要なのかを簡単に説明する。 次に、衆議院か参議院の事務局のスタッフでもいいし、 そのテーマを所轄している国会の委員会の委員長でもいいので、 概要、現在の状況、簡単な経緯、課題などを5分程度で説明する。 各党首は、その基本方針や対処方針を各3分間程度で説明し、討論開始。 今の制度と違うのは、次のように、双方向的な質疑応答が飛ぶことである。 「公明党の考えは、自民党より民主党に近い面があるが、それでも連立を続けるの?」 「共産党は、福祉拡充を主張するけど、その財源をどうするのか?現実的ではない。」 「結局、どの党も、この点では同じ考えで、ここだけが争点だということだよね?」 要は、「日曜討論」みたいな番組を、国会という場でよりハイレベルで行うというイメージ。 それによって有権者や視聴者は気づくわけである。 > ○○党ってイメージはいいけど、政策の中身はないんだなー。 > ○○党の党首が首相じゃ、ちょっと日本の将来は危ないぞ。 衆議院でも参議院でも比例代表制度が導入され、政党選択が重要になっていること、 最大政党の党首が最高権力者でありわが国の顔である内閣総理大臣になること、 などを考えれば、 党首討論を通じて、政党の考えの違いがはっきりし、 党首の議論・討論する能力と大局観や器の大きさが分かるというのは大きなメリットである。 党首討論の様子は、早速夜のニュースで扱われることになる。 そこでは、討論の専門家による分析、そのテーマの専門家2人による分析、 どの党がよかったかの電話調査結果か投票結果の発表、 党首討論を見た感想の紹介などを通じて、党首の質と政策論を評価していくのである。 真剣な政治の場でもあり、ちょっと高尚なエンターテインメントでもある。 まぁ、党首討論失言集、チンプレー集なんていうところまでいけば、大したものかな。 以上のようなシステムのメリットはどこにあるのか? 1) 党首討論と政策議論が面白くなり、国民の関心も高まる。 2) オープンな議論が行われることで、国家の重要政策についての意思決定過程や 問題点がよりいっそう明確になる。 3) 政党ごとの考え方やスタンス、能力の違いが明らかになる。 4) 各党が、人気だけでなく、能力の高い党首、ひいては総理候補を選ぶようになる。 また、党首同士の切磋琢磨が、総理大臣として必要な能力の向上に役立つ。 5) 国家の重要政策の中核的な問題について、国会での議論がきちんと行われる。 特に、対症療法的にではなく、基本戦略を作るという点で大きな意味がある。 6) 両院議長が単なる名誉職とか儀礼のための職でなくなり、 言論の府である国会の長、三権の1つの長としてふさわしい仕事が与えられる。 7) 党の代表による討論ということであれば、例えば、首相が外遊しているときであっても、 政調会長や総務会長などが代わりに出て行うことができ、政治日程に左右されない。 8) 野党や公明党も自らの党としての基本政策を練り上げていく必要があり、 能力向上につながる。また、政党の選別が盛んになる。 9) 国全体での政策に関する議論が活発化する。 ただ、こうした「党首討論」、毎週やると結構大変だし、国民も飽きるかもしれない。 新鮮さがなくなってきて、惰性で毎週やっているというのでは最悪である。 しかし、現在の状況、つまり、非常に政治的駆け引きで開催が決まり、 中身も予算委員会とほとんど変わらない状態であり、 それも2か月に1回程度というのよりは、よほどいいだろう。 また、単なるパフォーマンスの場にならないように、政策論としてきちんと評価すること、 討論手法としてきちんと評価することが重要である。 イギリスと違い政党もいくつかあるわけだから、このような制度もありなのではないか。 その関係でもうひとつの問題があるのだが、このアイデアを暖めていたのが5年前。 二大政党制への流れが本格化するかなり前だったので、 今の流れ、そして2大政党化した後の姿にふさわしいかどうかは、考慮されるべきだろう。 なお、円卓方式への参加資格については、 議員数が両院合わせて20人以上の政党に限るというような枠組みができれば、いいだろう。 いずれにせよ、実現すれば、日本型モデルとして結構注目されるかもしれない。 ところで、この案。 野党としては、①時間延長で発言の機会が増えること、②国民受けしそうなことから、 自民党としては、①この制度の見返りに首相の国会答弁回数を減らすこと、②野党の政策に突っ込むことができるようになること、から与野党合意の余地はあるのかもしれない。 こうした制度を通じて、国会が、 単なる「政府与党が作った政策野党がたたく場所」ではなく、 「与党と野党がお互いの政策を出し合って、双方向的に議論する場所」へと、 行政の活動を受動的にチェックするだけでなく、国家の重要な方針を主導的に議論する、 そういう方向で質的に変化すればいいなぁ、と願う次第である。 *もちろん、行政に対するチェック機能も重要だけど、 せめて党首討論というハイレベルなものぐらいは、大局的な話をしてほしいという願い。 #
by presidentbush
| 2004-08-10 08:19
| 日本への提言
大統領には様々な権限がある。 大統領令を出したり、米軍最高司令官であったり、 議会の法案を拒否したり、4000人以上の政治的任用を行ったり、 最高裁判所の裁判官を任命したり。 今回は、ちょっと毛色を変えて裁判所のお話。 大統領選挙には直接影響しないし、日本にも影響しない。 でも、アメリカの国内政策・国民生活に結構影響を与えるお話。 日本だと、最高裁判所の決定が、 政府の重要政策に大きな影響を及ぼすことは少ない。 違憲立法審査権を持っているが、その行使に非常に及び腰である。 自衛隊の問題でも、高度に政治的な問題として、判断を避けている。 また、僕のイメージでは、裁判官としての法的良心に基づいてやっている、 個人のイデオロギーはそんなに強く反映されていない、 むしろイデオロギーを強く出しすぎる人は、 裁判官の出世コースから落ちぶれていくので、そういう人は残らない。 「自衛隊を違憲」とする非常に有名な「伊達判決」を出した伊達裁判官は、 その後、出世の道を絶たれていったらしいですし。 検事や弁護士、大学教授から選ばれる人も、穏当な人を選ぶんでしょう。 誰がそういうスクリーニングをかけてるんでしょうねぇ? 裁判所?法務省? 僕は知りません。 あまり深く分析したことはないけど、自民党-官僚 中心の政治と行政、 ある程度均一な国民 というものがあるので、 穏当な裁判官が選ばれて、役割も非常に小さく押さえ込まれているんでしょうねぇ。 アメリカの最高裁判所はちょっと違う。 ポイントは3つ。 1) 裁判官に色がついている。 2) 裁判所の果たす役割が大きい。 3) 上院の承認を得て、大統領が任命する。 アメリカは、共和党系(保守)と民主党系(リベラル)がはっきりしている。 裁判官にも色がついているのだ。 誰が裁判官になるかで判決が相当異なる。 例を挙げよう。テキサス州。今のブッシュ大統領が知事をやっていたところである。 ここは、昔、非常にリベラルな州として知られていた。 カリフォルニア州よりもリベラルな、そういう州だった。 法制度や裁判所による法解釈は、大企業の横暴を許さないもので、 消費者主権という立場に立ったものだったそうな。 ここで登場したのが、ブッシュ知事。 知事は、州の最高裁判所の判事を任命できる権限がある。 ブッシュの知事時代に裁判官はどんどん保守的・ビジネス寄りな人になっていく。 結局、テキサス州では、環境問題や製造物責任で裁判を起こしても、 ほとんど勝つことができないような状態になってしまった。 裁判官の価値判断・価値基準が大きなウェイトを占めるからである。 法制度においては、テキサス州は、最も保守的な州の一つになっているのである。 ま、おかげでビジネス側としては仕事がやりやすくて、 メキシコからの安い移民もがんがん使えることもあって、 大企業の誘致は進んだんだけどね。 アメリカの最高裁判所は、憲法・法律の最終的な解釈をする。 とにかく、最高裁判所が「こうだ!」と言ったら、そうなのである。 いや、憲法や法律がはっきり書いてある部分だったらいいんだけど、 そうじゃない部分は、裁判官の良心によることになる。 この「良心」に、保守かリベラルかという色がついているのがアメリカの特徴。 ま、むしろ、「無色不透明なのが日本の特徴」と言えるのかもしれませんが。 ちょっと話をそらすと、911委員会というのが、現在注目を集めている。 911の同時多発テロをなぜ防ぐことができなかったのかについて検証している。 この委員会は10人から構成されていて、5人が保守系、5人が民主系である。 委員会の席上で、一人の委員が言って放った。 「この委員のうち、次の大統領選挙で、5人はブッシュに投票するだろうし、 5人はケリーに投票するだろう。」 保守とリベラルのバランス、アメリカ政治を理解する一つのキーである。 で、最高裁判所に話を戻すと、やっぱりよく意見が分かれてるんだな。 9人の裁判官から構成されてるんだけど、 5対4の判決、6対3の判決というのがざらにあったりするわけで。 5対4の判決は、毎年10件以上あるそうです。 特に、国民の価値観や重要政策にかかわるような問題でこうなるわけで。 具体的には、中絶の問題とか、連邦政府の権限の問題、キリスト教と国家の問題、 差別問題、アファーマティブ・アクション。。。 ゲイの結婚もそのうち上がってくるんでしょうねぇ。 こういった保守とリベラルでスパッと考え方が分かれているような問題では、 最高裁判所の判事たちの判断もスパッと分かれてしまう。 で、多数決で法の解釈が決まっちゃうわけです。 また、バイオテクノロジーやITなどいくつかの最先端分野では、 アメリカも法律が未整備になっている部分が多い。 こういうところの判断も裁判官の良心ってやつにゆだねられるわけです。 ビジネス擁護派か、消費者主権か、とかいう良心ね。 さてさて、何が問題か? そう、最高裁判所の判事が、リベラルな人から保守の人に一人変わっただけでも、 最高裁判所全体の判決が大きく変わってきちゃうわけなんです。 逆もまたそうだし、 どっちかっていうと保守かな? って言う人ががっちり保守になっても、 それなりに影響が出てくるわけです。 つまり、9人の思想のバランスが重要ということ。 そして、最高裁裁判官は、終身ポスト。 つまり、死ぬまでその職についておくことができる。 もっとも体調が著しく悪くて、業務が行えないと自ら判断した場合は別だが。 いずれにせよ、一度裁判官を変えたら、そのバランスはなかなか戻りにくいのである。 じゃ、このバランスを誰が変えるのか? そこで登場、大統領!! お待たせしました。 司法省という役所が、これまでの経歴・判決・弁護活動などを分析して、候補を絞る。 そして、大統領を含めた政治的判断で決定されることになる。 議会上院の承認が必要なのだが、最高裁判所の判事については、 行政側がイニシアティブを握っているそうである。 つまり、大統領が裁判官の思想バランス、 ひいては、将来の判決のアウトプットに影響を与えられるのである。 で、何でこの時期にそういう話をするのか? 実は、今年の2月、この9人について少し調べたことがあるんです。 名前はどうでもいいことにして、イニシャルで書きます。 【保守的】 W.R. 男性 1972年から 79歳 A.S. 男性 1981年から 73歳 C.T. 男性 1991年から 55歳 【リベラル】 J.S. 男性 1975年から 83歳 R.G. 男性 1993年から 70歳 がん手術を経験 S.B. 男性 1994年から 65歳 【ケース・バイ・ケース】 D.S. 男性 1990年から 63歳 若干リベラル A.K. 男性 1988年から 67歳 若干保守系 S.O. 女性 1981年から 73歳 若干保守系/女性問題ではリベラル がん手術を経験 *年齢は、2004年2月時点のもの。 70歳以上が5人。うち2人が、がんの手術を経験している。 次の大統領の任期が終わる2009年1月には、それぞれ5を足した年齢になる。 一体、何人が、最高裁判所裁判官でなくなっているだろうか? 4人という声も聞かれる。 十分に保守とリベラルのバランスを変えられる数字である。 その分を、ケリー、ブッシュのどちらが新しく任命するのだろうか? 信念と信仰の人ブッシュは、きっとバリバリの保守を任命しようとするだろう。 テキサス州知事時代もそうだった。 大統領になってからの連邦控訴審の裁判官の任命もそうだった。 こうしたことが大統領選挙に影響を与えるわけではない。 まして、日本に与える影響も非常に限られたものであろう。 ただ、今回の大統領選挙の重要性を考えるときに、 実は非常に重い問題だったりする。 こういう側面を知っておくことも、大統領選挙「観戦」を楽しむ方法かもしれない。 #
by presidentbush
| 2004-07-09 10:51
ここ数日、副大統領を誰にするかで盛り上がった。 アメリカの大統領選挙は、まず、1月ごろから盛り上がり始め、3月から盛り下がる。 予備選挙である。 これによって、各党が誰を候補者にするかが決まるわけで、非常に注目される。 この予備選挙、州によって実施される日程が異なる。 実は6月まで続いているのだが、3月には候補者が決まってしまうので、 遅い州はまったくといっていいほど無視されている。 投票率も20%そこそこにしかならない。 これこそ、本当の、「だって誰に投票しても結果が変わらないから」というやつである。 逆に、アイオワ州やニューハンプシャー州というマイナーな州が、 (まぁ、日本で言えば秋田県や山梨県といったぐらいのインパクトかな) 投票の時期が早いというだけで、注目を集めることになる。 不利といわれた候補者が、この2州で意外なほど善戦し、 その勢いのまま予備選挙を勝ち抜いてしまったということもある。 ちょっと変わった話を紹介しよう。 ケネディー大統領が暗殺された後、大統領になったリンドン・ジョンソン(民主党)。 日本ではなじみがないが、アメリカでは非常に有名な大統領。 そのうち、昔の大統領を紹介するコーナーを設けよっかな。 さて、ジョンソンは、1964年に再選。1968年にも立候補しようとした。 ところが、アイオワ州(だったと思う・・・。)の予備選挙で思わぬ苦戦を強いられる。 マイナーな候補者を相手に、得票率が49%対41%の辛勝だったのである。 知名度抜群の現職の大統領が・・・である。 これをマスコミが大々的に報じたために、ジョンソンは選挙戦からの撤退を宣言した。 このように、最初の2州でどういう結果を残すかが非常に重視されている。 今年のハワード・ディーンもアイオワ州での惨敗がなければ、 もう少し善戦していたはずである。 ちなみに、ジョンソン大統領は、アイオワ州での選挙をパスしていた。 つまり、投票対象に入っていなかったのである。 それでも、半分近くの人が彼の名前を投票用紙に書いたのである。 だが、そんなことはメディアでは大きく扱われず、 ジョンソン苦戦が目立つことになったのである。 大きくそれた話を少し元に戻す。 盛り下がった大統領選挙も、党大会からまた盛り上がる。 民主党と共和党が意地をかけて、本当の大統領選挙が行われるからである。 今回のエドワード指名は、その始まりといえるかもしれない。 ただ、やはり7月末の党大会まで、めぼしい選挙関連のイベントがないのも事実。 やっぱりしばらくは、盛り上がりにかける時期が続くのだろう。 【おまけ2】 大統領選挙8で、ケリーがもっともリベラルな上院議員、エドワードが4位と書いた。 上院での投票の記録を分析して、ポイントをつけている組織があるそうである。 そういう政治の奥の深さがワシントンの魅力である。 ただ、奥が深すぎて、怪しい世界も多いのではないかとかんぐってしまう。 そういう調査をして、どうやって食っていってるんだろうか・・・とか。。。。 【おまけ3】 エドワードへの批判材料として、政治的経験の不足が挙げられている。 特に、安全保障・外交の経験不足がそうなのだが、 これを巡るテレビでの討論が結構面白い。 「上院議員を高々4年やってたって、大統領に必要な経験とはいえない。」 「エドワードよりも4年前のブッシュ大統領の方が経験がないじゃないか。 テキサス州の知事をやる前なんて野球球団のオーナーとかビジネスばかりだし。」 「テキサス州はメキシコと接していて、移民や国境の問題があるじゃないか。」 「知事と国レベルでは問題が違う。大体、ブッシュなんて、大統領になる前は、 メキシコにしか行ったことがないじゃないか。主要国の首脳の名前もうろ覚えだった。」 アメリカ人はほとんど海外旅行をしない。 パスポートを持っている人の割合も非常に少なく、 特に、中西部なんかでは、数パーセントなんじゃないかといわれているぐらい。 ちなみに、生涯に行って見たい場所の第一位は、ハワイらしい。 大統領が死んだ場合や辞任した場合には、副大統領が大統領に就任する。 だからこそ、副大統領候補者にも大統領にふさわしい人物かどうかが試される。 記者会見で、記者からエドワードについて質問された、ブッシュは、一言。 「チェイニーは大統領になれる人物だ。」 と言った。 副大統領にも大統領と同じだけの能力が要求されているのである。 #
by presidentbush
| 2004-07-08 22:27
民主党の副大統領候補が、事実上指名された。 ノースカロライナ州の上院議員 ジョン・エドワード、かなりのイケ面である。 いろいろ候補者を挙げて、 まぁ、本命はジョン・エドワードかなと書く準備をしていたところなので、 それが間に合わなかったのでちょっと残念。 アメリカ大統領選挙では、党の大統領候補者を選ぶため、2月ごろから予備選挙を行う。 エドワードは、民主党予備選挙で2位につけていた人物である。 弁護士出身、ハンサム、若い、ノースカロライナ州(南部) という人物。 そんな彼に白羽の矢が立ったわけである。 副大統領候補・・・、大統領選挙では「ランニング・メイト」と呼ばれている。 これから、大統領候補と2人3脚で大統領選挙を戦っていくことになる。 さて、ここで押さえておかないといけないのは、 1) 副大統領って何?どれぐらい偉いの?何をしてるの? 2) 副大統領候補者の役割って何?選挙に影響を与えるの? ということである。 1) 副大統領の役割 これは、大統領制度の話に近いので、別でちゃんと触れる。今回は触りだけ。 - 副大統領は、大統領とともに選ばれる。 - 副大統領は、上院の議長を兼ねる。 - 大統領が死亡したり辞任したりした場合は、副大統領が大統領に昇格する。 例)ケネディ暗殺後のジョンソン大統領。 ニクソン辞任後のフォード大統領。 2) 副大統領候補の役割 大統領選挙における副大統領候補の役割、それは票を取って選挙に勝つこと。 大統領の弱いところを補ったり、長所をさらに打ち出していくことがその役割である。 1992年のクリントン大統領は、あえて同じく若いアル=ゴア(これもイケ面)を副大統領候補にし、 若さをアピールして大統領選挙を勝ち抜いた。 2000年のジョージ・W・ブッシュ。 政治経験、特にワシントンでの経験に乏しく、大統領としては軽量と見られたことから、 下院議員や国防長官などを務めた共和党の重鎮、チェイニーを副大統領候補にし、 「実力不足ではないか?」との不安をかき消すことに成功した。 今年、ブッシュ大統領は、非常に早い段階でチェイニーを副大統領候補に指名した。 政権におけるチェイニーの果たしている役割が大きいことが一つ、 現在の政権運営をスムーズに行うためというのがもう一つ、 また、個人的には、いろいろと批判の多いチェイニーを早めに指名しておくことで、 選挙が近くなってから、 チェイニーの選択が大きな議論にならないように配慮したことが理由と思っている。 では、エドワードという選択肢はどうだったのか? まず、エドワードは、女性と若者に人気がある。 その容姿と若さと爽やかさによるものであろう。 さらに、民主党の予備選挙を通じて、知名度と評価を高めた。 これがないと、選挙で票が取れないから最低限の条件。 次に、バランスという問題。 大統領候補のジョン・ケリーは、マサチューセッツ州選出である。 マサチューセッツ州は、ニューヨーク州よりも北。「東部」といわれているところである。 この州は伝統的に民主党が非常に強いところである。 1972年だったかな、民主党候補が現職のニクソン大統領に大敗したことがある。 そのとき、民主党が取ることができたのが、マサチューセッツとワシントンDCだけだった。 さて、エドワードは、ノース・カロライナ州(南部)の議員。生まれはサウス・カロライナ。 ワシントンDCの南にバージニア州があって、その南にあるのがノース・カロライナ州。 この南部でどれだけ勝てるか、民主党が切り崩せるかが重要になっている。 北部-北部の候補では、とてもじゃないが南部で票を取れないのである。 ただ、ブッシュの力は非常に強く、エドワードが副大統領候補になっても、 争点となっているフロリダ州などで逆転できるかは疑問と思われている。 もう一つ重要なのが、イデオロギーの問題。 ジョン・ケリーは、上院議員ではもっともリベラルだとされている。 リベラル過ぎるとどうなるのか? 民主党と共和党の対立が激しい現在、ポイントは、無党派票/浮動票ということになる。 無党派/浮動票の人は、候補者を比べて自分と近い考えの人に投票する。 候補者があまりにも左によっていれば、 かなり右に寄っているブッシュを選ぶ可能性が高まる。 そういう訳である。実質的に、二者択一だからね。 例を挙げよう。 民主党予備選で、ハワード・ディーンというバーモンド州知事が一大旋風を起こした。 どの政治家もなかなか口に出せなかった「イラク戦争は間違いだ」と はっきりと口に出して言い始めたのである。 候補者に選ばれるのではないか、直前までそう思われていたが、急激に失速した。 大統領選挙を戦うには「左過ぎる」、「中道の票を取ることができない。」 「本選挙でのエレクタビリティー(当選可能性)が少ない」という理由から敬遠された。 1992年、クリントン大統領は、非常に中道的なスタンスを示して当選した。 財政の均衡、小さな政府など、共和党の基本理念のような公約を行ったのである。 2000年のブッシュは、社会問題にも踏み込んだ公約を掲げた。教育問題が代表例。 これは、普通であれば、民主党が大きく取り上げる問題である。 イデオロギーの問題というのは非常に重要であり、 自分の党の基本的な考え方をはずさずに、その中で中道的な方が有利とされている。 さて、エドワード。実は彼もそうとうリベラルとみられている。 上院議員では、4番目にリベラルな議員とされている。 考え方もケリーに近いのだが、これからどうやってイメージを作っていくかである。 また、エドワードは、反大企業の弁護士活動をしていたこともあり、 ビジネス界からネガティブに捉えられないか、という危惧もある。 ウォール・ストリート(経済界)などは、エドワードを相当警戒している。 ちなみに、ざくっと言えば、共和党は規制に反対・大企業優遇の考え方である。 ただ、ウォール・ストリートは、エドワードが副大統領候補になったことを喜んでいる。 理由?? 金融も含めて大企業を優遇するブッシュが再選する可能性が高まったから。 あと、非常に重要な問題が、エドワードの政治経験不足である。 20年にわたる弁護士活動の後、上院議員になった。 弁舌は爽やかで理論は明快、弁護士としては有能だが、政治家の能力はまた別。 実は4年間の議員活動の中で、彼が中心となって通った法律はない。 また、外交や安全保障などの経験がないことも批判されている。 さて、民主党の副大統領候補、実は、いろんな人が噂された。 お、これは面白いというものを中心にあげておくと、 >ゲッパード下院議員: 労働組合に強い影響力と集票力を持っている。 見た目は地味。さえないサラリーマンみたい。 日米貿易摩擦で対日強硬派だったこともあり、僕は嫌い。 >マケイン上院議員 : 共和党の人物で共和党内で人気が高い。 ブッシュと反目しているといわれていた。 ケリーの誘いを断り、ブッシュ支持を明らかにした。 >ヒラリー・クリントン : 集金力・知名度とも群を抜いている。 ただ、非常にリベラルで、南部の反発も強い。 また、彼女は2008年の大統領選を狙っているらしい。 >クリントン元大統領 : はっきり言って禁じ手。ただ、クリントン人気は根強い。 アンチ・クリントンも強いが。 そんなこんなで、ようやく役者が揃った大統領選挙。投票日まであと4か月である。 #
by presidentbush
| 2004-07-07 14:16
三菱ふそう って、あの日本でお騒がせのあの会社だよね。 アメリカのテレビCMを見てビックリした。 "Mitsubishi Fuso, The most trusted car in the world." (意味合いはそういう感じ。正確なヒアリングかは疑問。) 訳: 三菱ふそう。世界で最も信用されている車です。 あんな状況で、アメリカだとは言え、 よくそんなCMができるものだとあきれ返りました。 日本での三菱不信の状況を見ると、明らかに虚偽広告ですな。 【7月7日追加】 また、このCMをみました。 別バージョンかもしれませんが、次のように言っているのを確認。 "Mitsubishi Fuso, the most reliable on this planet" 訳:三菱ふそう、地球上でも最も信頼できるもの。 #
by presidentbush
| 2004-07-02 11:36
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