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大統領選挙の結果分析は、いろいろなメディアで行われ、その取り上げられ方も様々だが、今回は、アメリカを大雑把に4つのエリアに分けた投票結果を見てみる。 大統領選挙10 (票読み作業)でも触れたし、snow_nyさんの紐育日記(アメリカ大統領選挙)でも一目瞭然のように、地域によって、民主党と共和党がくっきり分かれる。 ワシントンポスト(僕のバイブル的存在)の集計では、 北東部 : ケリー58%、ブッシュ41% 中西部 : ケリー50%、ブッシュ49% 南 部 : ケリー44%、ブッシュ54% 西 部 : ケリー53%、ブッシュ45% 最終集計とは若干の誤差があるかもしれないが、大体こういう傾向。 こうやってみると、南部以外ではケリーが勝ってるんですねぇ。 ただ、南部は、面積も多いし、州の数も多い、人口も多い、 そして何よりも、移民が多く人口が増加しているんです!! この人口増加は、非常に重要。 1つ下の記事に書いてあるように、下院議員の数、ひいては、大統領選挙の選挙人の数は、 10年に1度の国勢調査に基づいて、粛々と変更されるからなんです。 2002年に行われた議席の変更でどういうことが起こったかというと、 南部と西部の選挙人の数が増えているんです。 特に、ブッシュが前回も今回も強かったところが。 テキサス+2、 フロリダ+2、 ジョージア+2、 アリゾナ+2 逆に、民主党が比較的強い場所、接戦でも勝っている場所は減少。 ペンシルバニア-2、 ニューヨーク -2、 中西部もだいたい1ずつ減っています。 カリフォルニアは1増えてますけどね。 2000年の選挙の結果は ブッシュ 271対 ゴア267(266) でしたが、 2004年にそのまま当てはめると、 278 対 260 ということになります。 ところで、今回の大統領選挙のこれまでの結果が、 ブッシュ279 対 ケリー252 + 未確定 アイオワ(7) 前回と選ばれた候補者の政党が変わったのが、 ニューハンプシャー (選挙人4 共和党から民主党に) ニューメキシコ (選挙人5 民主党から共和党に) アイオワは前回は民主党 途中集計ではブッシュ優勢 つまり、47州が前回と同じ結果で、ほとんど選挙人は動いてない一方で、 人口の変化による選挙人の変化が7もある状態なんです。 今後もこの傾向が続くと、ますます共和党有利・・・という風になっていくんでしょうねぇ。 ちなみに、ゴアが267(266)となっているのは、ワシントンDCの選挙人の一人が棄権したため。おいおい・・・という気もしますが、何か抗議の意図があったのかな? #
by presidentbush
| 2004-11-05 19:57
| 大統領選挙2004
アメリカと日本の選挙の比較で感じることが、「一票の格差」の問題についてである。 【概念説明】 例えば、一人の議員を選ぶのに、ある選挙区Aでは100万人の有権者、 別の選挙区Bでは10万人の有権者だとすると、一票の格差は10倍ということになる。 どういうことかというと、A選挙区の人の声は、B選挙区の人の声の10分の1しか反映されないことになってしまう。だから、格差はないほうが、より民主主義的ということになる。 【日本の場合】 日本だと、確か最高裁判決で、衆議院議員の一票の格差が3倍以上は違憲、 参議院だと6倍以上は違憲とされていますね。過去の傾向からですけど。 衆議院は2倍以内が望ましいという話もあったような・・・。 あ、「基本的に2倍以内」にしようっていうのが、法律でありますね。 (衆議院議員選挙区確定審議会設置法第3条) ちなみに、現在、2002年の公職選挙法改正で、衆議院議員が2.12倍(それまでは2.63倍)、参議院選挙が5.02倍になっています。 総務省(旧自治省)が事務を担当してて、形だけ内閣府におかれている衆議院議員選挙区確定確定審議会で議論され、国勢調査に基づいて区割りを決めています。 あ、最後に決めるのは、もちろん国会審議で、与野党のものすごい駆け引きがあります。 【アメリカの場合】 アメリカの場合は、根拠となる法律は分からないのですが、シンプルです。 基本的には、「州」が基本的な単位になっています。 上院議員は、各州2人ずつ。下院議員は、国勢調査の結果の人口で単純に割る。 あ、ちなみに、アメリカの上院議員は100人で、日本の参議院議員の4割の人数、 下院議員は435人で、日本の衆議院議員よりも少なかったりします。 10年に1回の選挙をもとに州ごとに人数を配分するから、ある意味公平です。 「なんだ、そのある意味っていうのは??」 ―― そういう突っ込み、ステキです。 実は、ある州から何人出すかって言うのを決めた後が大変なんですね。 つまり、州の中での選挙区をどういう風に割るか・・・・。 ちなみに、これを決めるのは、連邦政府じゃなくて州政府。アメリカっぽいですね。 例えば、10人の選挙区で人口が100万人、A党55万人、B党45万人と仮定しましょう。 もし、全部の選挙区でA党5.5万人、B党4.5万人とできたら、A党10人全取りです。 逆に、2つの選挙区でA党9.5万人、B党0.5万人としておいて、 残り8つの選挙区で、A党4.5万人、B党5.5万人とできれば、B党が8人取れます。 個人の政党所属色が濃く、どこにどれだけいるかがはっきりしているアメリカでは、 こういうことが簡単にできちゃうんですねー。これを「ゲリマンダー」といいます。 後ろの「マンダー」は、「サラマンダー」に由来します。 今年の場合、共和党色が強いテキサス州で、共和党が大幅に躍進しました。 2000年の国勢調査に基づいて、下院議員の数が2人増えることになったので、 選挙区割を変更したのですが、 テキサス州出身の下院共和党のトップががんばったそうで。 何でも、アメリカがいいってもんじゃないんですよねぇ。 それにしても、民主主義と政治って、難しいですね。制度設計から始まって・・・。 #
by presidentbush
| 2004-11-05 19:51
選挙から一夜明けて、アメリカの様々なメディアで、出口調査をもとにした投票動向の分析が行われている。今回は、ジョージア州の州都アトランタに住んでいる[ARADAS]さんの記事をトラックバックしてみます。 Election 2004 ② 【ジョージア州概況】 選挙結果を分析するときには、その州の概要の把握が重要です。 ジョージア州は、大西洋に面し、フロリダ州の北にある、アメリカ南東部の州です。 ピーチステート(桃の州)とも呼ばれており、ピーナッツ生産が全米1位だったり、 結構、農業も盛んだったりします。。 州都アトランタは、1996年に夏のオリンピックが行われたことでも有名ですね。 デルタ航空がハブ空港として使っていたり、日本の領事館があったり、 アメリカの南東部の行政区の中心だったりと、大きい街です。 詳しい情報は、ARADASさんのブログを読んでいただければと思います。 州の人口は約870万人。1990年から2000年の10年で26%増えたようで、 選挙人の数が11から13に増加。この増加率は、全米平均の倍です。 人口構成は、白人65%(全米平均75%)、黒人29%(全米平均12.3%)で、 アトランタ市を含むフルトン郡は、白人が5割弱、黒人が45%です。都会の傾向ですね。 旧奴隷州ということもあり、奴隷解放以降、白人の間で共和党支持者が増加。さらに、聖書原理主義/キリスト教原理主義が主流の土地柄だったりします。キリスト教右派は、キリスト教的価値観と伝統的価値観を極めて重視する共和党の大票田だったりします。 どれぐらい、キリスト教原理主義が浸透しているかは、ジョージア州の新教育カリキュラムが物語っています。例えば、地球が45億年前に誕生したとする従来の説を撤回し、聖書の教えに沿って「推定6,000年から1万年」として教えることにしたり、「進化論」も1つの学説でしかなく、天地創造説も同じように教えるべきと議論したり・・・。 あ、話はそれますが、1976年に民主党候補から大統領になって、 内政問題とイラン大使館人質事件で無能の烙印を押され、 1980年の大統領選挙でレーガンに敗れ去ったジミー・カーターは、ここの知事でした。 大統領ディベートで、レーガン候補が「4年前よりもみなさんの生活は良くなってますか?」と国民に語りかけたシーンは、今見ても、彼の卓越した能力を感じます。 カーターは、外交ではある程度の成果を上げて、むしろ大統領を辞めてから活躍し、 昨年は、ブッシュへのあてつけとして、ノーベル賞をもらっていましたね。 ただ、民主党の没落を象徴し、決定付けた大統領でした。 【投票結果】 ジョージア州は、ブッシュ189万票 対 ケリー134万票 でブッシュが勝ちました。 予想でどおりでしたね。 ちなみに、同日の上院議員の選挙で、民主党から共和党に移った方が重大です。 ◆ 人種別 白人: ブッシュ氏74% ケリー氏25% 黒人のケリーというか民主党びいきは当然なのですが、 白人のブッシュびいきがここまでというのは、ビックリですね。 白人でブッシュに投票した人の全米平均が、だいたい55%ですから。 ◆ 投票理由 「候補者を支持しているから」とした人はブッシュ氏に投票した人が多く(65%)、 「反対立候補だから」とした人はケリー氏に投票した人が多い(69%)。 これ、今回の大統領選挙を象徴するようなデータですね。興味深いです。 ところで、「ABB」という言葉があります。[Anybody But Buh]の略です。 「ブッシュ意外だったら誰でもいいから!ん?ケリー??ちょっと冴えないけど、 ブッシュよりましだからいいか・・・。でも、ちょっと気乗りしないなぁ~」 「ブッシュ大好き!!なんたってリーダーとして国を守ってくれてるし、 俺たちの価値観も理解してくれてる。奴に続投させたいね」 こういうメンタリティーの違いが、接戦の選挙での結果を分けたという分析もあります。 ◆道徳的価値観を最も重視した人の 86%がブッシュに投票。 ここら辺は、さすが、キリスト右派王国といった感じですね。 個人的には、どういう人種で、どういうエリアで、どういう宗教の人が、 どれぐらいの割合、それぞれこの要素を最も重視したかに興味があります。 白人・郊外・プロテスタント という傾向になりそうですが、 例えば、30%以上の人がこれを重視していたなら、本当に一大論点ですよね。 #
by presidentbush
| 2004-11-05 19:00
| 大統領選挙2004
今回の大統領選挙の争点は、イラク・テロ・経済だといわれていた。 実際に、NEWSWEEKなどの記事では、これらが関心事項のTOP3で、 それぞれが23%ずつ、続いて健康保険制度、税制、教育などとなっている。 しかし、2004年の大統領選挙の出口調査の結果を見てみると、 (出口調査の結果自体、今回は、かなり問題があったので分析が必要だが、 接戦の選挙の結果に影響しても、全体の傾向を理解するには役立つ。) 最大の関心事項 割合 ブッシュに投票 ケリーに投票 - 道徳的価値観 21% 78% 19% - 経済/仕事 20% 17% 81% - テロリズム 18% 85% 15% - イラク 15% 24% 75% - 健康保険制度 8% 21% 79% - 教育 4% 23% 76% - 税制 5% 52% 47% (ワシントン・ポスト 大統領選挙特別号) (追加) このトップの道徳的価値観・・・。実は大統領選挙前まではあまり注目されてませんでした。いや、注目はされてたけど、ここまでの影響があるとは思われてませんでした。そんなわけで、選挙後、アメリカのメディアがこの分析をいっせいに開始しています。 関心事項の優先順位は、州によってまったく違ってくるが、「道徳的価値観」が大きい。 そして、ブッシュが、「道徳的価値観」と「テロリズム」で、 ケリーが「経済/仕事」と「イラク」、「健康保険」と「教育」で、 かなりの割合を占めているのがわかる。 #
by presidentbush
| 2004-11-04 05:04
| 大統領選挙2004
Zogby International という世論調査の会社がある。 1996年と2000年の得票率予測の難しい選挙で、ピタリと結果を当て、 一気に世論調査業界でNo.2にまでその評価を高めた会社だ。 (http://zogby.com/) そういうこともあって、僕は、少し気にかけていた・・・。 ところが、このゾグビー。今回の大統領選挙は振るわなかった。 ブッシュ:213、 ケリー:311、 不確定 コロラド(9)、ネバダ(5) と予想していた。 得票率も、 ブッシュ49.4%、ケリー49.1% との予想。 明らかに大外れである・・・。 <追加> ちなみに、いずれも統計の誤差の範囲に入るからいいではないかとの話もある。 全数調査ではなく、あくまでサンプルを取って、それをもとに推測するのだから。 統計学上、約400人のサンプルで±5%、約600人のサンプルで±4%、 約1000人のサンプルで±3%の誤差になり、±3%で、まぁいいとされている。 Zogbyが名を高めたのが、直前の投票行動予測がうまかったことだ。 1996年では、ほとんどすべての会社がクリントンの圧勝を予想していたが、 ソグビーは、クリントン支持者がそれほど、実際の投票にはいかないと分析、 それを踏まえての修正を行って、他の会社が数%はずしていた中、0.1%まで当てた。 2000年では、ゴア候補の直前の巻き返しをいち早く見抜き、 1%程度の修正をし、接戦を予想した。 単なる統計学ではない、動態的な政治の流れを読むのに長けているという評価だったが、 今回の結果は、実際には満足がいってないはずである。 どう分析するかのか、興味がある話である。 #
by presidentbush
| 2004-11-03 19:16
| 大統領選挙2004
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