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銭湯でゆったりと湯船に使っていると、よく、 「にいちゃん、大統領と内閣総理大臣ってどう違うんだい?」 とおっちゃんに訊かれる。 僕なりの説明をすると、 1)どちらも、国民に選ばれた行政の長である。 2)大統領は、国家の元首も兼ねている。 3)内閣総理大臣の場合は、別に国家の元首がいる。 4)大統領と内閣総理大臣がいる場合には、大統領の権限は限定されている。 要するに、「権力」と「権威」がどこにあるかという問題である。 「権力」というのは実際の行政権であり、 具体的な国の方向性を決定する「力」である。 「権威」というのは国のトップであるということであり、 その地位に基づいて、最高レベルの行為を行うことである。 例えば、大使の接受、勲章の授与、宣戦布告、首相や閣僚の任命など。 (*)アメリカでは宣戦布告は議会が行う。 ちなみに、この権威の部分を、 国民に選ばれた大統領が行えば 「共和制」。 世襲の王族が行うのであれば 「君主制」。 大統領制度の国といえば、 アメリカ、ドイツ、フランス、韓国あたりが有名どころ。 そういえば、サダム・フセインも大統領でしたね。 内閣総理大臣(首相・Prime Minister)がいる国といえば、 イギリス、日本、カナダ、オーストラリア なんかが代表例。 あと、ドイツ、フランス、韓国、インドなんかにもいる。 こういう国には、大統領と内閣総理大臣の両方がいるのだ。 内閣総理大臣のイメージは、「権威」を司る元首とは別に、 行政を進める人がいるというイメージ。 日本だと天皇という象徴がいて、 叙位・叙勲、法律の公布などは天皇の名前でやっているし、 外国の大使が着任したときも、その接受は天皇陛下が行う。 国賓が来たら、宮中で晩餐もするしね。 形式的なことを、内閣の助言と承認に基づいてやるのが天皇。 イギリスも女王陛下がいて、彼女の名前で勲章が与えられたりする。 カナダやオーストラリアについても、イギリス女王を国の元首にしている。 歴史的に見ればよく分かる。 昔は絶対君主だったが、仕事をする上で官僚機構が必要になった。 その官僚機構を束ねる役職として、大臣のトップである内閣総理大臣が生まれた。 Prime Minister という名前は、第1の大臣という意味だ。 そのうちに、民主主義制度が根付いていって、 この役職が議会で選ばれるようになった。 国によって事情は様々だが、こういうイメージで捉えれば、 大体のポイントは押さえられていると思う。 大統領は、国民に選ばれて権威をつかさどる。 アメリカの大統領制が、大統領制度の典型と思っている人が多いが、 実は世界的には、非常に例外的なシステムだ。 大体は、権威的なところだけをやるか、それに軍事・外交がつくぐらいだ。 ドイツやインドは権威的なこと、フランスは軍事・外交がついている。 そこはそれぞれの国の歴史があるから、一括りはできない。 ただ、首相が国内行政全般の実験を握っている場合が多い。 もう一つの大統領制は、独裁制度だ。 立法・行政・司法の上に君臨するだけの権力を持ってしまう。 サダム・フセインや一部の発展途上国に見られる制度である。 アメリカの大統領には、行政権全般が与えられている。 それでも、立法や司法までを含んだ権限は与えられていない。 これは、非常に例外的なシステムであるといえる。 ま、大統領は、ナンバーワン。 でも、国によっては形式的だったりすることもある。 内閣総理大臣は、行政の中ではナンバーワンだが、 国全体としては、別にナンバーワンがいる。 そういう風なイメージで捉えておけば問題はない。
by presidentbush
| 2004-07-02 07:32
| 大統領制度
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