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選挙から一夜明けて、アメリカの様々なメディアで、出口調査をもとにした投票動向の分析が行われている。今回は、ジョージア州の州都アトランタに住んでいる[ARADAS]さんの記事をトラックバックしてみます。 Election 2004 ② 【ジョージア州概況】 選挙結果を分析するときには、その州の概要の把握が重要です。 ジョージア州は、大西洋に面し、フロリダ州の北にある、アメリカ南東部の州です。 ピーチステート(桃の州)とも呼ばれており、ピーナッツ生産が全米1位だったり、 結構、農業も盛んだったりします。。 州都アトランタは、1996年に夏のオリンピックが行われたことでも有名ですね。 デルタ航空がハブ空港として使っていたり、日本の領事館があったり、 アメリカの南東部の行政区の中心だったりと、大きい街です。 詳しい情報は、ARADASさんのブログを読んでいただければと思います。 州の人口は約870万人。1990年から2000年の10年で26%増えたようで、 選挙人の数が11から13に増加。この増加率は、全米平均の倍です。 人口構成は、白人65%(全米平均75%)、黒人29%(全米平均12.3%)で、 アトランタ市を含むフルトン郡は、白人が5割弱、黒人が45%です。都会の傾向ですね。 旧奴隷州ということもあり、奴隷解放以降、白人の間で共和党支持者が増加。さらに、聖書原理主義/キリスト教原理主義が主流の土地柄だったりします。キリスト教右派は、キリスト教的価値観と伝統的価値観を極めて重視する共和党の大票田だったりします。 どれぐらい、キリスト教原理主義が浸透しているかは、ジョージア州の新教育カリキュラムが物語っています。例えば、地球が45億年前に誕生したとする従来の説を撤回し、聖書の教えに沿って「推定6,000年から1万年」として教えることにしたり、「進化論」も1つの学説でしかなく、天地創造説も同じように教えるべきと議論したり・・・。 あ、話はそれますが、1976年に民主党候補から大統領になって、 内政問題とイラン大使館人質事件で無能の烙印を押され、 1980年の大統領選挙でレーガンに敗れ去ったジミー・カーターは、ここの知事でした。 大統領ディベートで、レーガン候補が「4年前よりもみなさんの生活は良くなってますか?」と国民に語りかけたシーンは、今見ても、彼の卓越した能力を感じます。 カーターは、外交ではある程度の成果を上げて、むしろ大統領を辞めてから活躍し、 昨年は、ブッシュへのあてつけとして、ノーベル賞をもらっていましたね。 ただ、民主党の没落を象徴し、決定付けた大統領でした。 【投票結果】 ジョージア州は、ブッシュ189万票 対 ケリー134万票 でブッシュが勝ちました。 予想でどおりでしたね。 ちなみに、同日の上院議員の選挙で、民主党から共和党に移った方が重大です。 ◆ 人種別 白人: ブッシュ氏74% ケリー氏25% 黒人のケリーというか民主党びいきは当然なのですが、 白人のブッシュびいきがここまでというのは、ビックリですね。 白人でブッシュに投票した人の全米平均が、だいたい55%ですから。 ◆ 投票理由 「候補者を支持しているから」とした人はブッシュ氏に投票した人が多く(65%)、 「反対立候補だから」とした人はケリー氏に投票した人が多い(69%)。 これ、今回の大統領選挙を象徴するようなデータですね。興味深いです。 ところで、「ABB」という言葉があります。[Anybody But Buh]の略です。 「ブッシュ意外だったら誰でもいいから!ん?ケリー??ちょっと冴えないけど、 ブッシュよりましだからいいか・・・。でも、ちょっと気乗りしないなぁ~」 「ブッシュ大好き!!なんたってリーダーとして国を守ってくれてるし、 俺たちの価値観も理解してくれてる。奴に続投させたいね」 こういうメンタリティーの違いが、接戦の選挙での結果を分けたという分析もあります。 ◆道徳的価値観を最も重視した人の 86%がブッシュに投票。 ここら辺は、さすが、キリスト右派王国といった感じですね。 個人的には、どういう人種で、どういうエリアで、どういう宗教の人が、 どれぐらいの割合、それぞれこの要素を最も重視したかに興味があります。 白人・郊外・プロテスタント という傾向になりそうですが、 例えば、30%以上の人がこれを重視していたなら、本当に一大論点ですよね。
by presidentbush
| 2004-11-05 19:00
| 大統領選挙2004
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